私は膝の専門家で前十字靭帯と人工膝関節の得意な整形外科医(スポーツドクター)です。

スポーツドクターみやの日記

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2012/03/20

変形性関節症をO脚矯正で、痛み改善と軟骨再生(線維性軟骨)を獲得させる 人工関節を使わない治療 

   - 高位脛骨骨切り術(HTO)-  

変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗と膝のアライメント(姿勢)の変化でO脚やX脚になり、ますます摩耗と変形が進行していく病気です。この治療は、ヒアルロン酸注射、消炎鎮痛剤、足底板、サポーター、四頭筋訓練などいろいろな方法があります。しかし、効果がなければ、つらいわけです。

そこで、O脚については、変形矯正で治療を行う、高位脛骨骨切り術(HTO)という方法があります。

HTO(1)-1.jpg

このように、アライメント異常でO脚やX脚になる人がおられます。

そこで、O脚矯正のためまず、すねの骨(脛骨:けいこつ)を内側から骨切りを行います。

HTO(2)-3.jpg

骨切りした後、器械で徐々に開いていきます。

HTO(3)-1.jpg

このとき変形(アライメント変化)を矯正していきます。骨の中には隙間ができます。

そこで、

HTO(4)-1.jpg

人工骨(βTCP:β-リン酸三カルシウム)を挿入し、間隙を埋める。この人工骨は経過とともに

自分の骨に置換されて消えてなくなる。こうして、骨切した部分の骨癒合が完成されます。

HTO(5)-1.jpg

こうして、O脚から、ややX脚に矯正完了します。

角度は180度以上→172度付近に矯正されるわけです。

実際のレントゲン写真では

HTO(7)-1.jpg

     手術前の内反膝(O脚)                 術後の外反矯正された膝

このことが、摩耗した軟骨に対する負担を軽くするため、軟骨は自己改善能力が働き

摩耗軟骨部分から線維性軟骨を再生させるわけです

HTO(6)-1.jpg

手術概要

 ・入院期間は約1ヶ月

 ・歩行できるのは術後2-3日から

 ・2週間で杖なしで歩行可能

 ・付き添いは、不要

   ただし、軟骨再生には6ヶ月を要するので、その間に痛みがあれば、ヒアルロン酸注射で回復を促したりもします

 ・金具は、約1年で抜去(骨内異物挿入物除去術)

手術不適応(手術できない人)

 ・膝の屈曲伸展が悪い人(120度程度しか曲がらない、伸びが10と制限されている)

 ・体重80kg以上の方

 ・高齢で骨粗鬆が強い

 ・変形性関節症が進行しすぎている(外側軟骨が残っていない)

 

希望があれば、ご相談ください。

 

 

 

 

 

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2011/03/08

後十字靱帯損傷は、自然に治るわけでない。 

(図をクリックすると大きくなります)

後十字靱帯損傷

PCL受傷機転.jpg

     ○転倒で硬いコンクリートなどに脛(すね)をぶつける

     ○事故で車のダッシュボードにぶつける

     ○スポーツで強い力で脛に衝突する(人・地面)

          が原因で膝の中の十字靱帯というバンドを断裂するけがです。

  靱帯損傷とは、伸びることはなく、断裂して関節にゆるみをおこしてしまうことです。

【症状】

PCL症状.jpg

 

      ○慢性期では症状はないことが多い→問題なし(ゆるみが軽く、安定している)

      ○階段など膝が屈曲した状態で、不安定性がでる

      ○膝蓋骨(おさら)周辺に痛みが出る(膝蓋大腿関節の圧力が高まる:図の*のところ)

このように、お皿周辺に痛みがあり、改善しない場合、後十字靱帯が断裂し、

膝に後方へのゆるみが出 ている可能性があるわけです。

後十字靱帯損傷を放置した結果、変形性膝関節症が進行することがあります。後十字靱帯損傷は、日常生活での支障があまりないので、知らない間に進行する可能性があります。

下記のレントゲン写真は、40年前にバイク事故で左膝を負傷した後、診断ができず、治療も受けられなかった結果、変形性膝関節症に進行した患者様のものです。


PCL(1).jpg

   左膝 後十字靱帯損傷 後方に落ち込む         右膝 正常

 黄色の点線から左は1cm近く後方にずれていることがわかる。

PCL(2).jpg

膝 関節軟骨の摩耗が少なく、        左膝 関節軟骨の摩耗が著明で、

    関節の隙間が大きい                関節の隙間が小さい

                          変形性膝関節症が著明に進行している

 

このような症例は、あまり表にでていないが、後十字靱帯損傷の放置例は

変形性膝関節症に進行することは、過去の論文でも指摘されている。

しかしながら、靱帯損傷があっても、症状が少ないため放置されやすく、

長期間を経て、変形性膝関節症が進行すれば、改善することは難しい。

 

治 療

 

後十字靱帯損傷があっても、軽い場合周辺の組織と癒着してゆるみが軽く症状がはっきりでないので、この場合、治療の必要がありません。これは前十字靱帯に比べ、靱帯が太いことと、後方で血流のよい場所に靱帯が位置するため、靱帯の修復が行われやすいのではないかと言われています。

PCL3.jpg

 

しかしながら、断裂場所によっては自然修復が困難であることも多く、後方へのずれが必発していることもあります。

さらに他の靱帯との複合型の靱帯損傷が起こっている場合に不安定が出やすいと言われています。

後十字靱帯損傷+後外側支持機構損傷

後十字靱帯損傷+前十字靱帯損傷

後十字靱帯損傷+内側側副靱帯損傷 などの組み合わせがある。

この場合、後十字靱帯再建術と合併した靱帯再建術を同時に行って行く必要があります。

 

 

強い後十字靱帯損傷では、膝の前方部分が後方にへこんでおり、後方への不安定な症状が残存しています。

この場合、放置しておくと、変形性膝関節症が進行していくことが報告されています。

そこで後十字靱帯再建術を行い、治す必要があります。


PCL再建術.jpg

 

 

(方法)

自分の腱をとって(採取して良い部分)、それを束ねて、両サイドに人工靱帯をつけ、膝の中に骨のトンネルをあけて、その中に作製した移植靱帯(移植腱)を挿入して設置して、くさび(ステープル)で固定します。

断裂した後十字靱帯

Torn PCL.JPG

 

再建した後十字靱帯

PCLR.JPG


この手術は非常に難しく、簡単でないため、専門家でないとできないことが現状です。

まして関節鏡視下で行うことは、難度のある手術です。

(リハビリ)

○ 歩行は2日目から可能で、1週間で杖なしで歩けます

○ 膝を曲げていくリハビリが必要です(2-3ヶ月かかります)

○ スポーツ復帰は6ヶ月以降です

○ 肉体労働は4ヶ月必要です

○ 膝の専用ハードサポーターが必要です

 

 

 

 

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2010/10/02

軟骨再生のための骨髄刺激法

正常の膝蓋大腿関節のシェーマである。灰色部分が軟骨である。

PF正常軟骨.jpg

軟骨変性、断裂、摩耗などが起こり、表層がでこぼこ、ザラザラとなる。

PF軟骨変性.jpg

これらの一度傷ついた軟骨は再生修復されないので、剥離・切除する。

その後、専用のアイスピックのようなマイクロフラクチャーオウルや鋼線(径1.2mm)でドリリングやMFを行う。

PFドリリング.jpg

骨髄穿孔を行うと、骨に穴が開き、そこから出血がみられる。

骨穿孔後出血.jpg

骨髄内にある骨髄間葉系幹細胞が浸出、流出し表層をおおう。

血腫と骨髄間葉系幹細胞.jpg

ここに軟骨様組織がしだいに形成され、その組織で覆う。

線維性軟骨再生.jpg

これで軟骨組織が悪かったところが、再生されて改善したことになる。

関節水腫(関節水症)などが改善してくる。

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2010/08/11

前十字靱帯損傷(断裂)に対する治療法は? 手術しかないのか?

☆☆ここでは、前十字靭帯を含めた膝関節のくわしい図をわかりやすく、描いています。
(以下の図はpop up できます。2秒くらいかかります。 図はすべて右膝です。)

◆◆以下の内容は過去に報告された医学論文や経験をふまえた私見であることを最初にお断りいたします。

◆前十字靱帯は膝の真中にあり、前方へのズレ(動揺性)を防ぐようにできています。

[ READ MORE ]

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2010/05/03

帝京大学 附属溝口病院 膝の診療 〜関節鏡手術と人工膝関節〜

膝の慢性的な痛みの多くは、変形性膝関節症という軟骨の障害があります。

☆早期であれば、注射やリハビリで治療できます。

☆☆痛みがひどくとも、内視鏡(関節鏡)で治療ができることも多くあります。
しかし、関節鏡手術は簡単ですが微妙に手術の仕方が悪いと悪化する場合があり、軟骨の専門的な手術が重要になります。

☆☆☆軟骨摩耗が進んでいるが、まだ少し残っているようなら、膝のO脚矯正手術で、治癒を促進することができます。

☆☆☆☆軟骨摩耗がひどく、上記のことができない場合、人工膝関節置換術で、関節に人工をかぶせて、痛みを除去します。

これらように膝を専門的に診療します。
関東エリアで、膝の痛みがあれば、金曜日(第2/第4週予定)にお越しください。
ご相談させていただきます。
お越しの前に、代表 044−844−3333を通して、帝京大学医学部附属溝口病院 整形外科外来にご連絡ください。

帝京大学医学部附属溝口病院 
整形外科非常勤講師 医学博士 宮武 慎 SHIN MIYATAKE MD PhD

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