1.年齢で考える

若年者

成長期スポーツ障害(オスグッド病、ラルセン病、分裂膝蓋骨)円板半月板損傷、離断性軟骨炎

若年成人

半月板損傷、腸脛靱帯炎、膝窩筋炎、膝蓋靱帯炎 関節リウマチ

中高年

変形性膝関節症 変性半月板損傷 関節リウマチ

2.性別で考える

女性

膝蓋骨亜脱臼症候群、変形性膝関節症 関節リウマチ

3.怪我(外傷)

  • 膝関節内骨折
  • 膝関節軟骨損傷
  • 膝蓋骨脱臼
  • 膝内側側副靱帯損傷(MCL損傷)
  • 膝前十字靱帯損傷(ACL損傷)
  • 膝後十字靱帯損傷(PCL損傷)
  • 膝外側側副靱帯損傷(LCL損傷)
  • 膝外側支持機構損傷(PLC損傷)
  • 半月板損傷

4.痛みの場所で考える

外側

腸脛靱帯炎、外側半月板損傷、膝窩筋腱炎、膝蓋骨脱臼
前十字靱帯損傷時の骨挫傷、外側型変形性膝関節症

内側

内側型変形性膝関節症、内側半月板損傷、内側側副靱帯損傷、棚障害、鵞足炎

お皿周囲

膝蓋骨亜脱臼症候群、膝蓋骨軟化症、有痛性分裂膝蓋骨

後ろ

後十字靱帯損傷、膝窩筋腱炎、内側半月板損傷、外側半月板損傷

5.膝の内出血する疾患

けがによる

靱帯損傷、関節内骨折(骨軟骨骨折)、半月板損傷(少ない)

自然にでる

結節性色素性絨毛性滑膜炎(PVS)、外側半月板損傷(高齢)、抗血栓薬の内服中

6.膝蓋骨脱臼と膝蓋骨亜脱臼症候群

おさら(お皿)がはずれる、おさら(お皿)がはずれそう、膝がぬける、膝がぬけた、などの経験はないでしょうか?
膝の関節に時々、出血がでる、血がたまる などの症状はないでしょうか?

病気の原因:主に先天的な原因が多い

  • 若い女性で多い
  • X脚のヒトがなりやすい
  • 脛骨粗面(膝蓋骨から5cmくらい下の突出したところ)が膝の中心より外にある
  • 大腿骨の膝蓋骨関節面の溝が浅い

症状

  • 膝蓋骨が時々はずれる・・反復性膝蓋骨脱臼
  • 膝蓋骨の不安定感(はずれそうな感じ)・・・膝蓋骨亜脱臼症候群
  • 膝蓋骨周囲の痛み・だるさ・・・反復性膝蓋骨脱臼・膝蓋骨亜脱臼症候群

よく経験するのですが、私が膝の専門家だと聞いた方から、
『前から怪我がないのに冷えると膝周囲が痛かったり、だるかったりすることが多いですよねえ』
いつからかと聞くと、
『結構前から、あー10年以上前からですね』とか、長期にある人がいる。
これは膝蓋骨亜脱臼症候群に伴う膝蓋骨軟化症が原因と考えられる。

診断

  • 単純X線(レントゲン写真)で軸写(軸射)を30°60°90°の膝屈曲角度で撮影する
  • CT撮影(関節の骨格上の不具合や骨折がよくわかる)
  • MRI撮影(MPFL靭帯の断裂や軟骨の欠損がみつかる)

正常なMPFL(内側膝蓋大腿靭帯)

MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)とLPFL(外側膝蓋大腿靭帯)がお皿(膝蓋骨)の横への脱臼が起こらないよう支えている重要な支持機構。

この写真の方は、17歳女子で膝周囲の漠然とした痛みが続き、数件の整形外科医を受診するも原因がわからなかったらしい。単純X線の通常の撮り方では、一 見普通に見えてしまう(図1)
しかしながら膝蓋骨軸射撮影では膝蓋骨が外側に亜脱臼しているのは一目瞭然である(図2)

  • (図1)
    (図1)
  • (図2)
    (図2)

治療

膝蓋骨脱臼
・ MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)が断裂
・ 骨軟骨骨折を伴うことが多い
・ 先天的に脛骨粗面の外側偏位
・ 大腿関節溝が浅い

○保存療法

内側広筋訓練、パテラサポーター(図)←効果は多少あるけどもサポーターをいつまでつければいいのか?サポーターで治ってしまうわけではな い!脱臼や亜脱臼を予防する意味しかありません。残念ながらしっかり直すには手術しかないのが現状です。

  • (図1)
  • (図2)
○手術

(1) MPFL再建術

MPFL再建術

(2) 脛骨粗面内方移行術

(3) 脛骨粗面前内方移行術

  • (図1)
  • (図2)

脛骨粗面内方移行の皮切は従来12cm近くと大きかったが、今は下は3cm 上は2cmのちいさな皮切程度でOK。
女性の方で傷を気にされるようなら、この方法が奨められる。

膝蓋骨の外方偏位が改善され、関節面の適合も良くなっている(面と面が良く合っているよ)
(ア) Fulkerson osteotomy(1983年)←僕はこれを行っています。
(イ) Hauser法(1938年)・・・変形性膝関節症がおきやすい
(ウ) Elmslie-Trillat法(1964年) ・・・Fulkerson法の原法

(4) 外側支帯解離術

(5) 内側広筋前進術もしくは内側縫縮術←傷が大きい割に効果弱い。
急性期に縫縮術はあり得るかもしれないが根治治療とは言えない。

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